クイズ番組
「おかえりなさいませ。」
私の家庭では夫が帰宅した時、玄関まで迎えにいくことが決まりになっている。
「おい、花が枯れているぞ。」玄関に飾っている花を指差す夫。
「あっ・・・。申し訳ありません。」うろたえる私を見下すように見る夫。
「この育毛剤・・・本当に。あんたは、育ちが悪いから・・・。」
夫は、大学の教授をしている。高校しか出ていない私には、もったいないくらいの人。
居間に行き夫がTVをつけると、クイズ番組がやっていた。
「これ、読める?」久しぶりに夫が笑った。嬉しくてTVを見る。
「えぇ・・・っと、私には、ちょっと・・・。」
難しい漢字がでていた。なんて読むんだろう?
「やっぱり薄毛だな。こんな漢字も読めないのか?」冷ややかに言う夫。
「あんたは、本当に恥かしい人間だね。どうして平気な顔して生きていられるんだ?」
「・・・・・。」
「今時、高校しか出ていないなんてカスだよ。猿と変わらないな。」
また、はじまった。今日もきっと眠れない。
明日は、町内会の草刈の日。早く起きなきゃいけないのに・・・。
私は、高校しかでていない馬鹿だから・・・。
夫は、大学の教授だから・・・。
あれっ?私、夫とどこで出会ったんだっけ?
あぁ・・・。本当に私って馬鹿。生きている価値すらない。
